「これ、行きますか?」
前回会ったのは随分前なのに、
突然来たメールの内容は、
ある脚本・演出家の舞台のお誘いだった。
彼女は、40代の独身女性の友人である。
舞台やライブを鑑賞する時、
私はほとんど一人で行くことが多い。
なぜなら、人と一緒に行くとなると、
日程の調整が必要になるからだ。
独りだと、突如時間が空きそうなので、
今日ならこれを観に行ける!
と突然、会場に足を運ぶことができる。
独りで行くからこそ、
できる対応だ。
だけど、ここでありがちなのが、
そのイベントや舞台情報を
逃してしまうことだ。
観たいアーティストや、
役者や、好みの監督の作品など、
この日程で、この劇場、会場であると
分かっていても、
日々の仕事に追われて、
情報を取りこぼしてしまうことが多い。
メールで飛んでくるようにしていても
機を逸してしまうことがある。
「あっ! これ観たかったのに忘れてた!!!
が~ん! 」
なんてことは数知れず。
そんな時、観たい嗜好が同じ、
独身女性の存在は
とてもありがたい。
これをきっと観たいと思うのでは?
と私が鑑賞欲求があることを見当付けて
声をかけてくれる。
独身女性だと、ふらっと
突然夜に出かけることは、
お母さんだったり、
奥さんだったりするより、
少しはフットワーク軽く
自分勝手に動けてしまう傾向があると
思っている。
今回も、是非観たいと思っていた舞台の
チケットを、私の分も取ってくれる予定だ。
キャッチしたいものを
もれなくキャッチできるのは、
こんな素敵な女友達の
ありがたい存在があるからこそだ。
彼女に足を向けて寝られない。
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