『バツイチ、ハーフ美人独中女のササヤカな野望 vol. 16』

2012.4月から連載した
『独中女の心の叫びを
聞いてくれ』リライトです
vol.16

 

最近、テレビではハーフや
クオーターのタレントの
活躍が目覚ましい。

ベッキーはもちろん
Shellaにローラ、
道端姉妹にトリンドル 玲奈
ときたもんだ。

正直ずるい。
顔の小ささに手足の長さ。
スタイルの良さと
顔の華やかさは、

純日本人のその作りと
別物だ。

羨ましすぎる。

だが、美しいから人生が
順調だとは限らない。

今回ご紹介する独中女も
クオーター。

彼女の名前は中島かれん(仮名)45歳。

オーストラリア人の祖父を
持つクオーター。

スタイルの良さと
顔の造形はクオーターの
いい面だけ取り出し

「品」をトッピングしたような
美人さんだ。

実家は祖父の代から会社を経営。
高級住宅地に建つビルオーナーで、
その最上階に住む。

だが親は無駄に子供に
贅沢はさせなかった。

働かざる者食うべからず
と育てられ、

そんな親がイヤで
早く家を出たいと
考え続けた子供時代だった。

10代の終わりから
たまにモデルの仕事を
するかたわら、短大卒業後
ある会社の社員になる。

21才から付き合っていた
40代の男がその会社の
社長だったからだ。

不倫だった。

当時は、バブルの余力が
まだあった頃。

実家から出て
男の用意した高級マンションに住み、
高級車に乗り
彼と海外旅行も何度も行った。

一時は彼を我がものに
したいと、奥さんが
死んでくれることを
祈ったこともある。

だがある時、
はっきりしない彼の態度に
業を煮やしキッパリと
別れを告げる。

彼女が26才の時だった。

一度気持ちを切り替えたら
次へのシフトチェンジの
早さは女性の特徴。

それからは高級ジムに
通い始め、フルマラソンを目指す。

そのマラソンを通じて
2歳年上のイケメン弁護士
出会う。

2人でランニングを
する仲になり、
あれよあれよと27才で結婚。

だが結婚した直後、
可愛がっていた弟が
不慮の事故で亡くなる

両親の落ち込みようを心配し、
実家にいることが多くなる。

また、彼女の気持ちも
暗黒の底から這い上がれず。

彼は彼女を励ますが、
二人の仲はうまくいかなくなり、
披露宴から1年も経って
いなかったが結局別れることに。

ちなみにバツイチではない
披露宴はしたが、

籍を入れようとした
矢先に弟が亡くなり
籍を入れずじまい
だったからだ。

それから4年の月日が流れる。

その間、知り合いのつてで
不動産屋や飲食店でアルバイトを
しながら両親と暮らす。

恋愛が全くなかった訳ではない。
彼女の美しさはどこに行っても
男性が放って置かない。

が全て長続きしなかった。

弟が亡くなってから
以前より全くと言っていいほど
元気がなくなってしまった両親
のことを思うと、

自分が家を出ることが
考えられなかったのだ。

ある日、知人にクルージングに
誘われた。

気分転換にと行ってみると
昔からの知り合いの
12歳年上のバツイチの男
久しぶりに会う。

なんだか懐かしさも手伝い
その日から付き合うことに。

すぐに子供ができた。
両親がことの他、喜んでくれた。
32歳で結婚することとなる。

産まれた子供は男の子だった。
両親は、「弟の生まれ代り」と
大層喜んだ。

彼女はなんと、
姑と同居の生活が始まる

だが気が合うと思えた
姑だったので
心配していなかった。

が甘かった!!!

姑は、夫婦のことや
子供のことに、
ことあるごとに
介入してきた。

加えて旦那は母の言いなり
ほどなくして、彼女は
ほとほと嫌になり
彼女は子供を連れて家を出る。

そして、調停後離婚。
親権は彼女が手に入れた。

1500万円もの車に乗る
元旦那だったが、
慰謝料も養育費も
一銭も払わないと主張。

彼は自分の母親と、
おのれ自身のことを何より
大切に考える人だった。

一日も早く縁を切る為、
彼女は彼の主張する
何も払わないという条件を
丸呑みすることにした。
彼女の意地だった。

37才で離婚成立となる。

離婚後はしばらく
両親に経済的に
助けてもらう。

だが、彼女は自立を目指した。
いつまでも全てを親に
頼ってばかりは
居たくなかったからだ。

また親にそう育てられたのだ。

ありがたくも度々職場を
紹介してくれる友人たちがいた。

だが勤め始めてみるも
なかなか長続きしなかった。

なんつったって、
彼女が20代の頃、
働いたと言っても、

不倫相手の社長の会社に
就職はするにはしたが、
事務能力は求められなかった。

30代後半の女性が
働いて子供を育てていくほど
稼いでいくには
ハンディが大きかった。

彼女はパソコンを習う為に
学校にも通った。

彼女の武器はその美しい品の
ある容姿と機転の早さだった。

容姿を利用し、
接客業の機会の多い、
現在の職場を勝ち取った。

今から3年前のことだ。

彼女は37才で離婚してから、
現在45才になるまで恋を
全くしていない。

子育てで必死だったからだ。
声を掛けてくる男はいるにはいた。

だが、一旦恋に走ってしまったら
子育てをしなくなる自分が
いるんじゃないかと怖くて
恋愛ができなかったという。

子供が中学に上がる。
途端に手がかからなくなった。
はたと思う。

恋がしたい!そう思った気持ちは
自分でもびっくりするほどに
心がはやっていた。

ある時、1人の男性が
彼女の胸の扉を叩いた。

いつも職場で人が嫌がる
仕事を不満を言わず
淡々と対応する人だった。

独身の4つ年下の
隣の部署の男子。

恋愛は、いつも男側から
求められてしてきた彼女。

自分が初めて
「この人と付き合いたい!!」と
強く思った人だった。

まるで女子中学生かのような
初々しい心持ちで、
この久方ぶりの恋の
成就に乗り出すのである。

彼と一緒に会社から帰るために
会社の近くで彼を待ち伏せ。

その作戦で今まで5~6回、
一緒に帰ることに成功。

そこで次のステップとして
彼を食事に誘ってみた。

だが、彼はキッパリと
「行かない」
と言った。

それでも何回か誘い続け、
現在までに2回、2人きりで
食事に行くことに成功した。

2回目の食事の時に彼女は
「私と付き合ってくれませんか?」
と告白。

彼は彼女がいないことが
確認できたからだ。

しかし信じられないことに彼は
「その可能性は1%」と言った。

彼女は恋愛で男に
ふられたことがない。

媚びて付き合ってくれと
男に言っている今の自分が
信じられなかった。

彼女は45才の今も、
20代の時のスタイルから
ほとんど変わらず。

肌も艶やかでその美しさは
年齢不詳だ。

子持ちであることが
原因なのか。

彼を安心させるため、
結婚は望んでおらず
デートに行ったりする
付き合いをしたいと
彼女は彼に訴える。

すると彼は
「デートをするのがめんどくさい」
とのたまった。

彼女は泣きそうに
なるのを堪える。
そこに彼はこう続けた。

「でも明日は
どうなっているか分からない。

30%か50%になっているかも
しれない」だと。

なんじゃそりゃ!?

私は彼女の話しを聞いていて
「お前がめんどくさいだよ
って言ってやれ」と
テーブルを拳で叩いていた。

なぜこんなにも美しい人が、
めんどくさ率90%の男に
恋をしてしまうのだろうか。

「他に男の人近くにいないの?」
私の問いに「まわりはもう既婚者ばかり。」
と彼女。

確かにごのご時世、
ほどほど清潔感があって、
ほどほどの収入があって、
ほどほどのコミニケーションが
取れて、

ほどほど一緒にいて楽しいと
思う男性は、ほとんどが既婚者だ。

ほどほどの独身で残っている男性を
探すほうが難しい。

そして、腹立たしいことに、
既婚者はガンガンにお付き合いを迫ってくる。
どの口が言うんじゃ。

「既婚者でもセフレなんぞはどうなの?」
私が聞くと、彼女は声を小さくして言った。

「もう不倫はこりごりよ」
私は彼女に2つ3つ出会い系のサイトの
話しをしたら、

その夜登録したとメールで連絡がきた。
彼女は恋がしたかったのだ!
この真剣さと情熱ときたら!

彼女がいじらしくも思えた。
素晴らしいではないか。
離婚してから8年間。

子供を育てるために一心不乱に
働いて、育児に頑張ってきたのだ。

自分の幸せは自分が
強く思わなければつかめない。

独中女の未来。
自分がこうなりたいと
強く思って行動したもん勝ちかもね。

強く思うこと自体にパワーが
いることだもの。

そのエネルギーの強さは
40代女子の特許に思うほどの昨今だ。

恋も仕事もあきらめたら終わり。
あ~だこ~だととにかくやってみる。

これが独中女の強みだ。

独中女の欲望は生きる源になる。
そしてそれは希望になる。

ちなみに最近の私のこうなりたいは、
体を10年前と同じくらいに絞ること。

つかこれ、永遠に言ってるね、きっと。

 

 

 

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