『プリンシパル 長田佳世ちゃん! 最後のシンデレラ私が観た全て ~vol. 1~ 』

新国立劇劇場バレエ団
プリンシパル
長田佳世さんが現役引退をされます。

日本バレエ協会公演「ラ・バヤデール」
2017年1月22日(日)18:00開演での主演をもって、
ダンサーとしての現役を引退されるとのこと。

私は、新国立劇場バレエ公演「シンデレラ」
をラッキーにもS席(前から3列目)で拝見させて
頂く機会を得ました。

彼女とは10年ほど前に
知り合いになる機会を頂き、
それからずっと、
心から尊敬する人でもあります。

彼女の結婚式では、
彼女の美しいウェディング姿はもちろん、
何よりそのウエストの細さに衝撃を受け、
バレリーナの背中が芸術的であり
この人自体がアートなんだと、
当時抱いた強い印象を
記憶しております。

以前拝見した彼女の舞台は
2階からの鑑賞だったのですが、
その時、踊る彼女の姿は、
神々しく輝いていて、
まさにフェアリーそのもの。

アニメのように、
彼女が踊る跡には、
キラキラの金粉が舞って
いるように見えてびっくりして、
その美しさと、
琴線に触れて迫ってくる
彼女の感動の踊りに、

私の隣に、
小学生くらいのお嬢ちゃんが
座っていたのですが、
おばちゃん、恥ずかし気もなく、
号泣しちゃった記憶があります。

んでもって、本日。

ラッキーにも、
彼女のシンデレラの最後の姿を
鑑賞できる時間とタイミングが合い、
いざ劇場へ。

早めに家を出て、
道すがら、パソコンと携帯を
片手に、駅のホームに着くごとに、
椅子に座って仕事を
ちょこちょここなし、

なんとか仕事を終わらせて、
鑑賞できる時間を確保。

劇場の1階にある、
Le Pain Quotidienのパン屋さんで、
軽いランチ。

このパン屋さんは、
ベルギー人が作ったパン屋さんで、
店名の意味は、「日々の糧」。

私もこのパンを
この後の、佳世ちゃんの
最後に拝見できる踊る姿を、
最高のコンディションと
集中力で拝見しょうと
そのエネルギーの糧にするために、
食らいつきました。

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これチーズが載ったパンとアイスカフェオレ。
このパンの中に、何が挟まっていたのか、
残念ながら記憶にない。

仕事の電話が、何度かかかってきていたので、
それに対応していたら、
パンの固さとチーズの香りしか
覚えていない。

そして、トイレへ行って、
いざ劇場のある階上へ向かった。
開演20分前だ。

エスカレーターを上って、上って、
歩いて歩いて歩いて。

はい。
会場の前に着きました。

が。

ん? なんで暗い?

会場が真っ暗だ。
そして、なんと劇場の扉が閉まっている。

ええええええええええええ!?

どいうこと!!!!????

私は今、自分がどこにいて、
今日は何日なのか。
改めて確認する。

間違いない。
今日だ。
そして、劇場は3階となっている。

が、3階の劇場のロビーは
真っ暗だ。

すぐさま、ネットで検索する。
シンデレラ
シンデレラ
シンデレラ

やはりこの劇場です。

なんでだ!?

再び劇場名で検索して、
問い合わせ先の電話番号を
見つけてすぐさま発信。

私「すみません! 今日シンデレラありますよね?」

電話の女性「はい。」

私「何階ですか?」

電話の女性「3階です」

と彼女の語尾にかぶり気味に、

私「そうですよね! そうですよね!

今、私、3階におりますが、真っ暗です!!!

扉が閉まっております!!!

なぜでしょう・・・。」

なぜでしょうって聞かれてもね。
電話先の女性もへっ?って感じでしょう。

電話先の女性「今、どちらにいらっしゃいますか?」

私「オペラシティです。駅から繋がってる」

電話先の女性「それ隣りの建物です。

隣にある4階建ての建物です。」

私「・・・・・」

電話先の女性「・・・・」

私「あーーーーー!!!!そうです! そうです!
そうでしたーーーーー!!!」

お礼を言って電話を切る。

私はこの駅から徒歩5分のところに
6年も住んでいたことがありましたのよ。

住んでいて、何度も、
来たことのある劇場なのに、

思い込みとは恐ろしいものです。

ここだ。と思い込んでいたのです。

開演まであと10分になっていました。

死ぬ。

鑑賞に遅刻なんてしたら死ぬ。
それも引退される舞台の時に。。。

私は、ここ数年、したことのない、
猛ダッシュを試みました。

この2年で体重が7キロ、、いや9キロ
増加してしまっている。
9キロと言えば、5キロの
お米の袋2つ分に近いのです。

それを抱えてるような、
重くなった体を、
全脳の神経を使って走らせました。

う~~っ。
パソコンが重いっ。

エスカレーターを駆け下りる。
見慣れない大きなビルは、
どっちがどっちだか、
方向が分からない。

親近感を抱く太った
ガードマンが歩いていたので、
猛ダッシュで駆け寄って、
新国立劇場はどっちか
方向を聞きました。

「甲州街道はあちら。。。」

その指し示す指のほうに、
即、お礼を空に叫びながら、
私は、あっという間に
走り出していました。

外に出たのはいいのだが、
方向が分かりません。

左という単語が聞こえていたので、
左にいくとかなり走りましたが、
絶対こちらではないと
思う風景でした。

ビル風の寒さを防ぐため、
首元のマフラーを握りしめながら
歩いている中年の上品なおば様に、

「新国立劇場はどちらですか!?」

もうだいぶ走っているので、
関取りのような、
詰まった上がった声で
声をかける私。

「あちらです! 」

私のただならぬフインキに
反応して下さり、
力を込めて、方向を
指さして下さった。

教えてくれた方向は、
先程私が走り出していた方向と、
真逆でした。

指をさした方向を
私は即座に走り出しまた。

寸瞬に会釈した後、
空に向かって
お礼を放ちながら爆走。

ビルの隣と言っても、
お隣さんの家に回覧板届けられる
ような距離ではないのです。

ビル1個の1辺を超えるのは、
人間の足、まして私の短い足では、
走ったって、時間がかかります。

爆走に爆走。

劇場の入り口にたどり着き、
預かりのチケットを受付で
受け取り、

再び爆走。

もう呼吸ができない。
空気が肺に入ってきません。

客だっていません。
そりゃそうだ。
もう劇場で着席しているだろう。

ヒィィィーーーーー!

チケットの半券を
もぎ取る女性に、
ただならぬ形相の私に対して、
柔和な笑顔で、早口で

「まだ始まるまで時間あるので、
大丈夫ですよ。」
と声をかけられた。

でもその女性の
発言が終わったころには、
私は数メートル進んでいた。

時計を見ると開演1分前です。

いや。
大丈夫な訳ない。
席に行かなくてはならないのです。

だが、あの人が走らなくていいと
いうのだし、私は爆走を止めた。
というか、もう体力的に走れない。

肩で呼吸、
扁桃腺で呼吸、
息が上がり切っている。

会場に入って、
扉を閉めている係の女性に、
チケットを見せる。

今まで、
爆走なんぞしておりませんけれど、
何か。
みたいな平静なおすまし顔で、

「せっ、、せっ、、席、どち。。。」

呼吸が上がっているので、
うまく話せないけど聞いてみました。

係の女性は、
目の前の通路をまっすぐ進むよう
教えてくたれました。

平静を装ったまま、
通路の階段をトントン渡って
劇場のオーケストラビット前まで
ずんずん進みました。

前から3列目。
本当にいい席。

座っている人を2人乗り越え着席。
鞄を置いて、
携帯を切り、
コートを畳んで、

タオルとペットボトルを手にして
心を落ち着かせまたし。

まだ息がはぁはぁしています。
そりゃそうだ。

朝練の地獄の猛ダッシュ
顔負けの爆走の後の
着席だもの。

それから間もなく、
暗転になりスタート。

間に合った。。。(TT)

 

安堵で胸が安堵で震えました。

ですが。。。。

困ったことに、、、
鑑賞が始まってから、
汗がねっ。

留まることを知らずに、
流れてくるのです。
小タオルで、汗をふきふき。

もう絶対両隣の人は、
「この人更年期障害だわ」って
思われていると思いました。

ですが、
始まった途端、
ありがたいことに、
そこからもう物語に
入り込みました。

意地悪な義理の姉妹が、
舞踏会のためのショールに
刺繍をしているところから
始まります。

もうその動きが、
たまらなく滑稽でオモシロイ。

絶対後で真似したくなりました。

といよいよここから佳世ちゃんの
ことを書きます。

がっ。

私の思い込みの勘違いの爆走の
印象しか残らない感じなので、
続きは、vol.2 へということに。

では。

 

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