『夢を追うことは自分の人生に責任を持つことだと教えてくれる独中女 vol.13』

いや~。
昨日のイブの夜、
某ピザ店で、店頭にピザを
取りに行ったら、もう1枚プレゼント
という謳い文句で、

店頭にはキャパ以上のお客様の
注文が殺到して、

何時間も待たなくてはならず、
怒号が飛び交い、
ピザ屋のバイトの女子が泣かされる
ということがあったそうな。

19時の受け取りの予定が、23時半にやっと
ピザを手に入れたなどなど、、
警察まで出る始末に。。。

クリスマスパーティーができないじゃないか!!!
と怒鳴る人のセリフがあったそうですが、
炎上覚悟で言いますが、
多くの人が同じ時に同じことをしようとしたら
どうなるか。

事前に予測して過ごすことをしないと、
楽しいはずのイベントが返って
疲労をためてしまうことになってしまいますな。

お疲れ様でした。

 

2012.4月から連載した
『独中女の心の叫びを聞いてくれ』の
リライトです  vol.13

 

 

岡本夏生さんが出ている
キンチョールのゴキブリ殺虫剤の
CMをあなたは見たか?

「ゴキブリがいなくなっても
私はいなくならないわよ~」

と言った後、泣く子も黙るような
文字表現で表せない絶叫のような
高笑い。

私はこのCMがテレビ画像に
流れると息を呑み、
目を細めてあの高笑いを拝聴する。

高笑いの音の響きに、
バブルを謳歌した世代の栄枯盛衰を
見て経験した岡本さんの
迫真の演技力を見る気がするからだ。

あの突き抜けた感には心から感服である。

さて今回ご紹介する独中女は、
岡本夏生さんに負けず劣らない
演技力を発揮するであろう舞台女優
亀山久美子(仮名)さん46才だ。

山口県生まれ。
顔は面長で女優の清水美砂さん似。

小学生から15才まで父の転勤で
全国を転々とする。
転校生を幾度も経験すると
その場の空気を読む力は
かなり鍛えられる。

ピンクレディーの振り付け大会に
友人と出て優勝する経験を持つ活発な
子供時代。

子供の頃の夢は歌手。
都立高校を卒業した後、
日芸を受験するもサクラ散る。

そこで多くの芸能人を輩出した
舞台人を育てる専門学校へ入学する。

入学と同時に生まれて初めての
1人暮らしがスタート。

芝居にダンスに日舞にタップetc….
出たくない授業が1つもない
2年間の学校生活は夢のようだった。

同じ夢を持つクラスメート達の存在と若さは、
授業とアルバイトの両輪の生活の疲れを
吹き飛ばした。

学校の友人に内緒で同じ学校の
先輩と付き合うも自分が多くの
女の中の1人であることを知り落ち込む。

が、すぐに芸の肥やしだと立ち直りも早かった。
専門学校を卒業してからはバイトを
何個も掛け持ちしながら定期的に芝居に出る。

バイトでも演技を勉強していた
彼女の人を惹き付ける力は役立った。

ファーストフードの接客大会で入賞。
時代はバブルへまっしぐらな時。
入賞賞品としてグアム旅行へ行かせてもらう。

パフォーマンス能力は
コミュニケーション能力の高さに通じる。
それからも数々のバイトをこなす。

水泳のインストラクター、
広告代理店、絵のモデル、喫茶店、
ネット申し込受付、会計事務所、
ケーキ屋、赤坂のクラブのホステス、
お好み焼屋、積算会社、設計事務所などなど。

女優魂を駆使し彼女は
どんなバイトの様々な
場面にも順応した。

それからも芝居とバイトの日々を
続け彼女は35才になる。

その頃から突然ぱったりと
舞台に立つ話しが来なくなった。
道を歩いていても、
女子向けの宣伝が入った
ティッシュ配りの人が自分に
配らないことに気が付いた。

元バイト先の仲間で
カラオケに行った時の
写メを見ても恐怖を覚えた。

盛り上げて騒いでいる自分の姿が
あまりに痛かった。
初めて自分の年齢を感じた瞬間だった。

振り返ってみるに
合コンに行っても
いつも提灯持ちで盛り上げ役。

付き合った男は必ず浮気をし、
今日まで信じていた人が
突然明日いなくなることを経験。

いつも男は「君は1人で大丈夫でしょ」
と言うという。彼女が40才の時、
39才の男と付き合った。
と思っていた。

が、掴みどころのない彼に業を煮やし
「私って何なんなのかな?」と彼に聞くと
「今は彼女を作る気はない。」と彼はのたまった。

その時、もっと自分がしっかりして
生きていかなきゃと彼女は痛感したという。

若い頃から子供を産むことは
絵に描いていなかった。

46才の現在、役者を辞めたのか
聞くと彼女は強く否定した。

女優をやっていたことを
過去形で言われるのが
とても抵抗があるそうだ。

映像のエキストラに
近い仕事は現在もたまにある時は
出るという。

今は28才の時バイトしていた
所長1人社員は自分が1人の会計事務所で、
簿記の勉強をしながら働いている。

だが会計士の所長が現在65才で
いつ引退するかもしれず。

この事務所が閉鎖したことを考えると
どうしたもんかと時々は考えるも
答えは見えない。

現在彼氏はいない。
だが今の生活は淋しいとは思わない。
死ぬまで働いていたいし、
少しでも芝居する場があったら
やり続けたいと語る。

「これからは母親役か婆さん役だね。」と笑った。

今後、結婚は強く考えてないけどパートナーは
見つけたいという。

今いちばん何をしている時が楽しいか聞いてみた。
「何かな~」と笑顔で彼女は考えていた。

ほんの少し考えた後、
週に2回ジムでアクアビクスをして
汗を流すことと、
自宅のケーブルテレビで
海外のテレビドラマを
見ることだという。

自然に「自分だったらどう演じるかな」・・・
という視点で見ている自分がいるという。

見聞するもの全てが舞台に立つ為のものになる。
自分の好きなことを仕事にして食べていける人は、
世の中でほんの一握りだ。

また自分の抱いた夢を
大人になっても持ち続けて
生きている人も多くはない。

生活の安定や老後のことを考えると、
夢を持ち続けることが困難になるからだ。

だが彼女は違った。
現在も舞台に立つ日がいつ来てもいいように
準備は万全だ。

独中女になっても夢を追い続けている
人生の是非なんぞ、
誰も判断すことはできない。

保障された「安定」など
どこにもない今の時代にあっては、
好きな芝居をする為の人生を歩き
続けている彼女はある意味幸せなのかもしれない。

男は突然居なくなることがあるから
頼らないと言う彼女。

人生で頼れるものがないと思って
生きたほうが落胆することもない。

そのスタンスで恋を楽しみたいと。

その潔さは何よりも自立している女性を
見た気がした。

これからも舞台に立つ為の人生は続く。

CMに出ていた岡本さんの
あの突き抜けた高笑いが耳にこだまする。

世界を広げる為、現在英語を学んでいる。
彼女は「外国人の彼氏ができちゃったりしてね」と
楽しそうに顔を崩して笑った。

素敵な青い眼のボーイフレンドができたら
連絡を貰う約束をした。

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