『プリンシパル 長田佳世ちゃん! 最後のシンデレラ、私が観た全て ~vol. 2~ 』

前回に書いた通り、

新国立劇劇場バレエ団
プリンシパル
長田佳世さんが現役引退をされます。

日本バレエ協会公演「ラ・バヤデール」
2017年1月22日(日)での主演をもって、
ダンサーとしての現役を引退されるとのこと。

私は、新国立劇場バレエ公演「シンデレラ」
をラッキーにも観る機会を得ました。

歴史的な舞台になんとか間に合い(‘▽’);
始まりました。

最初に登場した義理の意地悪な姉妹2人は、
どう見ても、ブサイク。

ブサイクという意味は、
骨格がどう見ても男か!?

はい。
始まる前にプログラムを見られなかったので、
分からなかったが、やはり男性が演じていました。

それがまた可憐で優しさ溢れるシンデレラを
際立たせます。

しかし、シンデレラのお父さんは、
2人の妻を亡くしているわけです。
最初が、シンデレラのお母さん。

そして、この意地悪な義理の姉妹の母である、
シンデレラからすると継母の2人目。

なぜ、シンデレラのお父さんは、
こうもあからさまにシンデレラが
貧しい恰好をさせられ、
召使いのように扱われているのにも
かかわらず、それに甘んじているのか。

2番目の奥さんの連れ子だったんだろうか?

連れ子で、こんなにも
父が頭が上がらない
関係って、一体なんなんだろう。。。

もしや、シンデレラの父は、
再婚した女性、
つまり意地悪な姉妹の母親は、
金持ちで、シンデレラの父が
逆玉に乗った立ち位置だから、

こんな家庭内権力の構造が
成り立つのだろうか。。。

おいっ、シンデレラの父よ、
がんばれよ~。

まぁそんなことを考えながら、
背の高い二人の義理の姉妹のやりとりの
踊りをコミカルに、
また苦々しく、拝見していました。

義理の姉妹2人達は、
あつらえたドレスや帽子に靴を纏い、
いそいそと舞踏会に
楽しそうに出かけていきます。

シンデレラである佳世ちゃんは、
姉2人に、足蹴にされながらも、
2人が出かけるのを手伝います。

そして、2人が出かけた後、
1人、自分も妄想の世界で舞うのです。

その美しさといったら。。。。(T ▼T)

健気で可憐でいじらく、
そして可愛くしなやかで、
もうそのシーンが終わった時に、
彼女の踊りに涙が溢れてきました。

なんでしょうか、これ。
心が洗われるというか、
心にびんびん響くんですね。

1人楽しく舞っていた
シンデレラが、
現実にかえった時、
パンをめぐんであげた汚い老婆が、
現れます。

実は、この老婆は、
美しい仙女で、
彼女に4つの四季の踊りを
贈ってくれるのです。

そして、第一幕の最後は、
シンデレラは、その仙女の魔法で、
輝くばかりのドレスを纏い、
めちゃ華やかな品のある馬車に
乗って、シンデレラも宮殿の舞踏会へ
向かうところで休演に入ります。

いや~、もう美しくて溜息が出ました。

バレエって、もちろんですが、
口から喋るセリフは一切ありません。

あるのは、
舞台の大道具と、
オーケストラの音楽と、
そして、全ての感情を、表現を、
バレリーナ達が、肉体で、踊りで、
表すのです。

指先ひとつ、
肩の動きひとつ、
全てです。

すごくないですか!?

言葉がそこに存在してないのですが、
今、こうやって思い返してみると、
ちゃんと会話がなりたっていて、
心の中にドラマが綴られているのです。

私と言えば、
一幕終わってソッコーロビーに出て、
パソコン広げて、メールをチェック。

送られてきたエクセル表を修正して、
送信したら、25分の休憩が終了。

第2幕は、舞踏会でのお話し。
義理のお姉さんたちも
男君達の前でなんとか淑女たるよう
振る舞い踊りを踊っています。

王子様が登場したら、
皆、王子様にもうヘロヘロです。

男性のバレリーナの
空中浮遊時間の長さに、
この人達がフィギアスケート
したら、4回転確実だな。
とか思ったり。。。

そしてそして、いざ、
シンデレラが
舞踏会に登場した時の、
その美しさの際立ちさと言ったら。

王子でなくとも、
皆、シンデレラに
文字通りデレデレです。

王子様と2人で舞うシンデレラ。

もう私の心も、
一緒に踊っていました。

本日無駄に
爆走した疲れも
ぶっ飛びました。

踊っているのは、
シンデレラなのですが、
佳世ちゃんが本当に、
彼と幸せになっているような
気持ちになり、
私も天にも昇るような気持ちになりました。

そして12時の鐘の音。
どうやったのか、
しっかり舞台を観ていたのに、
解せないのですが、

輝くばかりのドレスを
纏っていたシンデレラなのに、

あっという間に、
元のみすぼらしい姿に
瞬間に戻ってしまうのです。

何、今の?

私は、知らない人なのに、
隣の人に、今の見たか
聞きたい気分で
いっぱいになりました。

まるで早変わりする、
歌舞伎か!?

分からない。
分からないけど、
一瞬で姿が変わってしまった
シンデレラは、
ガラスの靴を1つ
残したまま、
舞踏会の広間から
逃げてしまいます。

王子は、
姿が見えなくなってしまった
シンデレラをそこここに
探します。

でもいません。
そして王子は、
このガラスの靴を残していった、
シンデレラを探すことにするのです。
そして第2幕が終演です。

そして20分の休憩。

私は再びソッコー、ロビーへ出て
用を足して、バーへ。

シャンパーニュ
というカタカナが
私を呼んでいる。

1500円でちとお高いけど、
私の今の高揚した気持ちと、
1時間以上前には、
爆走したための
喉の渇きが、
泡を求めています。

迷わずシャンパーニュを注文。
パソコンを開き、
再びファイルを添付して送信。
シャンパーニュを飲み干し、
いざ、第3幕へ。

王子は、
綺麗なガラスの靴を履いていた
シンデレラを探して回ります。

シンデレラ宅にも王子一行が来ました。
義理の姉妹2人も、
必死にそのガラスの靴を
履こうと頑張ります。

でもやはり履けません。
姉の靴を履くのを
手伝うシンデレラ。

姉がサイズ的に全く入らない
靴に無理やり足をごり押ししていたため、
ひっくり返ってしまいます。

その反動で、シンデレラも勢い
よたつきます。

つか、このよたつくって表現しか
できないのが、文才のなさを
証明してしまうが、、、、
形容が思いつかない。

とにかくよたついたら、
シンデレラが時々舞踏会のことを、
1人思い返してひたる時に見ていた
ガラスの靴。

そのガラスの靴が
シンデレラのポケットから
ポロリと落ちます。

それで、王子は、
シンデレラとわかるのです。

そこからの大円団は、
皆さんよくご存じの
ハッピーエンドの
2人の舞いです。

もうこれがね、
これがね、
素敵過ぎてブラボーなのですよ。

本当にこちらまで、
王子様を見つけて、
2人で喜んでいるような
疑似気分を味あわせて
頂いているような
気分になりました。

優しく、
綺麗で、
美しく、
しなやかで、
華やかで、
品があり、
断然応援したくなる、
味方な気分になるシンデレラ。
それは引いては
佳世ちゃんそのものでした。

終演となりました。

そして、カーテンコール。
もうね、もうね、
すごいのですよ。

かれこれ、20分くらいは経ったのでは
ないでしょうか。
拍手が鳴りやまないのです。
ブラボーがそこここから、
発せられます。

もちろん私も、
3列目から、
ブラボー連呼です。

全席、スタンディングオベーション。

佳世ちゃんに届けとばかりに
ブラボー
かよー
連呼。

一気に想いが溢れたように
彼女の顔が一瞬が歪みます。
涙が溢れていました。

拍手がずーっと、
ずっーっと、
ずっーっと、
鳴りやみません。

もちろん私も涙が止まりません。
ずっと拍手をしている
私の四十肩の痛みも
止まりません。

バレリーナって、
もちろん全てのアスリートって、
人生の全てを踊りに、競技に、
捧げています。
本当に全てをです。

小さい小さい小さい頃から。
来る日も来る日も、たくさんの荷物を
肩にかけて、レッスンに通います。

1日も休むことなく、
ストレッチをし、
一通りのなんと言うんだったか、
ひとつひとつの型の
繰り返しの練習をして、
レッスンをして
繰り返しの日々を過ごしているのです。

私は、師匠の横澤彪氏に言われて、
34才で初めてダンスの世界に
飛び込んだのですが、
めちゃ素人の話しですが、
なんてテーヘンなんだ、ダンサーって。
とダンサーさんたちを見る目が
変りました。

ダンスをするって一言で言っても、
生身の体を駆使するわけですね。

粘土細工のように、
ここをしぼって、
ここを伸ばすとか、
体形を思うように
即効性をもって変えられない
のですよね。

毎日毎日、
自分の体の部位との会話をして、
関節ひとつと
筋肉と語りあい、
自分の体を作っていくのです。

脚一本、真っすぐに伸ばす
ことだって、それはそれは
様々なことを心掛けて、
意識して、基本の形に動くようにして
いくのです。

基本の形ができるようになったら、
その人の表現ができる、
人に伝える、
人を魅了する踊りをしていくことが
できるのです。

どのひとつの舞いを取っても、
それはそれは、
気の遠くなる、
日々の鍛錬の賜物の
成果なのですよね。

すごいです。

いろんな制限のある中で、
プロフェッショナルとして、
体をいつも万全の
コンディションにして、
舞台に立つ。

もうね、、、
この怠惰な私の生活から考えたら、
間違いなく精神からして、
違う方たちなんだと思います。

彼女の、
それもシンデレラの
佳世ちゃんの姿を
踊りを、
この目に、
魂に、
焼き付けられた
気がしました。

プロフェッショナルってすごい。

これから、彼女が
ご自身のライフプランの
再構築をしていくことに
なると思うのですが、
ひとつのことに一流の人は、

きっと、なんでも一流に
なんだと思います。

これからの新生・長田佳世が
楽しみです。

私も頑張ろう!
もしくじけそうになったら、
今日の彼女の鳴りやまない拍手と
終わらないカーテンコールを受ける
ブロフェッショナルの彼女の姿を
そして、表情を思い出そう。

何があっても継続して、
やり続けた人だけたが
受ける祝福と讃嘆を
惜しみなく受ける
彼女のその姿を励みにしながら。

あああああ!!!
忘れまじ!!!
プリンシパル、長田佳世!!!

永遠なれ!

あとは1月22日ですね!
大成功祈ります!

 

2 件のコメント

  • よしこさん!!感動がそのまま伝わってきました!!!かよさんの姿も劇場の熱も文章から伝わりました!! 長文書いてくださりありがとう~ございます!!!読めて、かよさんの最後のステージを感じれて幸せでした!!
    よしこさん、ありがとう~ございます!!!

    • のりこルネきさん!

      嬉しい感想ありがとうございます!!!

      素晴らしい舞台の感動の共有を
      少しでもできたら、本望で~す!

      ありがとうございます~! !(^^)!

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