『気後れしていた1人呑みに初トライした独中女の展開  vol.18』

2012.4月から連載した
『独中女の心の叫びを
聞いてくれ』リライトです
vol.18

2012年の夏の時期のお話しなので、
お盆です!

独中女の陥りやすい行動習慣

お盆の人民大移動の
終わりに近づいた今週末。

駅のホームのそこここに、
大きなバックやお土産の
紙袋を持ち、家族を引き連れて
故郷から戻ってくる人々の姿が見られた。

心から頭が下がる。
本当にお疲れ様です。

さて、独中女の皆様はこの夏、
いかが過ごしただろうか?

故郷の実家に帰る人もいれば、
この円高を使わない手はないと

海外に飛んだ人、
はたまた、これから遅い夏休みを
取る予定の方もいるだろう。

独中女ともなると、
自由を謳歌しまくっていると
思われる方もいるかもしれないが、

いい意味でも悪い意味でも
生活スタイルが固定化されている。

同じ顔ぶれと会い、
同じ行動範囲内で行動し、

勝手知ったる中で過ごすことが
多くなることは確かだ。

なぜならそれは
気を遣わなくていいし、
それが心地良いから。

悪いことではないけれど、
何も変化が起こらない
とも言える。

いいことないかな。
変わらないかな。

こんなセリフは
ただの寝言と同じになってしまう。

だいたいのことは
経験してきているので、
おおよその見当が付く。

付いた気になっていると
いってもいいかもしれない。

がしかし。
少しの勇気ときっかけさえあれば、

新しい分野で、
新しい出会いと、
新たな体験を、
得られることがある。

少しの勇気と、きっかけさえあれば。

本日の独中女さんの登場!

本日ご紹介するA子さん(43)は、
4年程彼氏がいない。

その日、仕事帰りに、
お酒を飲みたい気分だった。

近所に気になっているバーがあった。

でも、店を横目で覗くと、
常連さんが笑って飲んでいる
姿なんかが見えて、

気後れして入ろうなんて
今まで思ったことはなかった。

だが今日は家に帰る気分ではない。

こんな風にお酒を飲んで行きたいと
強く思うことはたまにあったが
行動に起こしはしないかった。

金融業種に勤める彼女。

いつも集中力と緊張感が求められる。
若い頃はそれを醍醐味と感じたが、
だんだんと気力と体力が
減退しているのを感じざるを得なかった。

自分の部下がミスをして、
その日はてんてこ舞いだったのだ。

神経が研ぎ澄まされて
しまっているので、
ほどきたかった。

今までも慣れたもので、
こういう時の解放の仕方は
自分では持っているつもりだった。

でも今日は一人暮らしの家に
真っすぐ帰りたくなかった。

気になっていたバーを横目で覗くと
ラッキーなことにお客さんが
全くいなかった。
時間は22時半。

この閑古鳥状態に、
これ幸いと店に入り、
カウンターに座る。

カウンターは
バーテンの存在を気にしてしまい
気疲れする気がしていたので
落ち着かいと思っていた。

この後、客が入って来ても
テーブル席で一人飲むより
カウンターのほうが座りがいいかと、
A子はカウンターの一番端に座った。

生ビールを空腹の胃に流し込む。

強張っていた両肩の緊張が
一気に緩んでいくのが分かる。

二杯目に白ワインを飲んでいた時、
お客さんが入ってきた。

まさかと思ったが、
座っているカウンターの
自分の隣りに男性客が2人座った。

テーブルに座ってくれればいいのに。。。

かなり隣の存在を気にしながら、
スマホをいじって
手持ち無沙汰で飲んでいた。

男性客の会話が耳に入ってくる。

どうもスカッシュをプレイしてきたようだ。

スカッシュは、四方が壁に
囲まれている部屋で、
ゴムボールでラリーを
楽しむテニスのようなスポーツだ。

近所にあるスポーツジムに
スカッシュルームがあるのだ。

A子もそのスポーツジムに通っていた。

スカッシュに関しては
とても気にはなっていたが
そのきっかけがなかった。

ジムに行った時は、
いつも泳いで終わる。

バーテンの20代後半と
思われる女の子がスカッシュの
話しに興味を示し

やってみたいと男性2人に
言っている。

突如バーテンの女の子は
「やったことあります~?」と
A子にも話を振ってきた。

彼女は一瞬たじろくも
「やってみたいですね」と
微笑みながら、小さい声で答えた。

「めっちゃ楽しいですよ~」と
話し掛けてきた隣りに座っている男と目が合う。

歳の頃会いは30代後半くらいだろうか。
離れた目がなんとも魚類系と感じる
面白い顔をしている男だった。

「お客さん、お住まいは
この近くなんですか?」

バーテン女子が聞いてきた。

A子は、小さく頷くと
「○○さんも近所なんですよ。ねっ。」

と目の離れた男のその隣りに座っている男に
バーテン女子が話しかける。

その男は目の離れた男の背後から首を出し

「私3丁目ですよ。あの橋からすぐです」

と家の場所を詳しく言った。

少し身構える。
めちゃ自分の家と近所なのだ。

「私もそこらへんです」とA子は答えた。

近所の男は40代前半だろうか。
いやもしかしたら30代なのか。

肌がやたらと艶やかで、
キレイだ。

隣の目の離れた男と
話すのは面倒だが、

その隣の男と話すことは
やぶさたではなかった。

その日が金曜日ということもあって、
それから深夜2時過ぎまで3人で
飲んでいたと思う。

と思うというのは、
最後のほうはほとんど
記憶がないのだ。

どうやって自宅まで帰ったのか。
必死にまだらの記憶を辿ると

カウンター客の近所の男が
肩を貸してくれて自分の家の

鍵を鞄から探してくれていた
のがうっすら思い出された。

彼は私の部屋まで
入ったのだろうか。

頭が煮えるほど考えるも
思い出せない。

鞄に名刺が2枚あった。

ある外資会社の営業の人だった。
昨日の2人だ。

自分を家まで運んでくれた
近所の男はこの2枚のうちのどっちだろう。

きっと目の離れた男を
タクさんと呼んでいたので、

近所に住む男の名刺が
どちらであるかは見当が付いた。

彼の会社のメールに
昨夜のお詫びを綴った
短めのメールを送った。

会社外からもメールを見ることが
できるのだろう、すぐにメールが返ってきた。

「スカッシュ行きましょう!」

その誘いにA子は、
ぜひ!
と返信していた。

翌週の平日の夜に
スカッシュのコートを
予約していてくれた彼。

ジムに行くと目の離れたあの男も
来ていた。

二人きりかと思ってちょっと期待
していた自分が恥ずかしくなる。

スカッシュを生まれて
初めて体験した。

これがまた楽しい!
学生の頃に友人達と
テニスをしたことはある。

大人になって屋内テニスコートで
遊んだこともあったが、

スカッシュはテニスと違い、
俊敏さがテニスより倍必要な感じが
たまらなく楽しい。
そのスピード感がたまらない。

そして汗だくになった。

こんなにラケットを使って
プレイを楽しんだのは
十数年ぶりかもしれない。

3人で楽しんで、直に本当に楽しかった。

その日以降、A子はその男2人と
スカッシュを楽しむことが増えたとのこと。

時には近所の男と2人でプレイも。
終わった後はもりもり食べて飲む。
近所に住む男はバツイチであることが分かった。

スカッシュの後、
家に呼ばれたりしないのか
A子さんに聞いてみたが、

それはまだないとのこと。

ちょっとつまらんと私は思うも、

これから先、男女の仲になる
可能性はあるような気がすると
彼女は言う。

タイプのど真ん中ではないが、
とっても頼りになる感じがいいという。
そして何より穏やかな感じなのだ。

離婚した理由は聞いたか私が聞くと、
そんなことまだ聞けないという。

私だったらとっとと聞いちゃうけどなぁぁぁ。
まぁ、これから聞く機会も出てくるだろう。

あの日、カウンターに座らなかったら。

話しかけられるのが
ウザいと思っていたバーテン女子が
私を話しに加えていなかったら。

一度はやってみたいと
興味を抱いたことはあったが、
きっかけがなくトライしたことが
なかったスカッシュ。

やろう!という誘いに
乗ったA子のフットワークの
軽さも誉めるに値する。

なかなか独中女は
「それをしてもきっとこうだろう」と
見当を付けてしまう頑固な人も
中には多いからだ。

A子のこれからのスカッシュのプレイも、
近所の男との仲もどう発展していくか。

報告が楽しみだ。
ほんの少しいつもと違う行動をしてみる。

誘いには一回乗ってみる。

分別が付いた今だからこそ、
ちょっと勇気を出してトライして
みるっていかがでしょう。

「初体験」を何度も経験するって
オモロイ人生に繋がるのではないか!!

確実に次の新たな展開の
一歩になっちゃっうかも。

取材で知り合ったA子さんに
今度その魚類系と、A子さんが
少しいいと思っている男子と、

一緒にスカッシュに行けないか、
聞いてみた。
(ちなみに魚類系の男性は既婚者だった)

「喜んで! 」
ノリ良くA子さんが
約束してくれた。

うほほほほ。
あたしゃ魚類系の方の
顔を見るのが楽しみだ。

実は私も、、、
今年の夏は生まれて初めて
ビキニを着ることに挑戦したのであった!(汗)

これも初体験!
水着は、3歳くらいに

海水浴に行った時に
着た以来、

ずっとワンピースの水着しか
着たことがなかったから。

それも熱海で(笑)

これがなんの新たな
人生の展開になるかなんて、
神のみぞ知るだね!

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