『あなたに投資をしたいと人から言われる独中女 vol. 15』

2012.4月から連載した
『独中女の心の叫びを
聞いてくれ』リライトです
vol.15

 

先日、ラジオパーソナリティーの
坂上みきさん53才が妊娠8カ月で
あることを発表した。

著名人では史上最高齢妊娠
ということだが、
度肝を抜かれた。

本人も手放しで喜んでおらず、
出産まで高齢なので
何があるか分からないから、
粛々と受け止めているとのこと。

いや~ホント。
母子共に健康で出産されることを
心より祈りたい。

にしても。この高齢出産にも
驚くが、12才年下の
ニュージーランド人と
結婚していたことにもそそられた。

彼女のこの生き方は、
私の描く独中女の理想だ。
今後も見守りたい。

このニュースを私に
教えてくたれのが
今回ご紹介する独中女さんだった。

橋本薫さん(仮名)40才。
エステ店経営。

白い歯が輝く
人懐っこい笑顔は、
強く人を惹き付ける印象がある。

青森県出身の漁師町で育つ。
彼女の父親はヤクザで
物心付いた時から家におらず、
彼女が小学生になった時両親は離婚。

中高校生の時は、いわゆるヤンキーで
いじめっ子だった彼女。

高校1年の時ファミレスの
皿洗いのバイトをしてみたが
利に合わない。

もっとワリの良い
バイトをと学校を
休んで温泉街まで
出掛け年齢詐称し
コンパニオンで稼ぐ。

温泉宿で遊ぶヤクザや
ゼネコン関係の大人に
とても気に入られ、
チップや指名を受ける人気者に。

てなことで高校を中退。
16才の時12才歳上の男と
付き合う。

彼と5年間付き合うが
彼はその間2~3度刑務所の
出入りがあった。

薬の売人だった。
彼女へ薬の共用はしなかったが
暴力をふるった。

母が心配すると思い家に帰らず。
刑務所から出てきた彼と
ラブホを転々とし、
その後ヤクザの組長の家で
居候することに。

彼女は怖くなって
何度も彼のもとから
逃亡するも連れ戻され、
ある時監禁された。

なんとか監禁先から
ほうほうの体で逃亡。

友人の居た東京へ。
しばらく友人の家で
居候しながら焼き肉屋や
キャバクラで働いて
生活の糧を得る。

憧れの恵比寿に新居を
構えられるまでに自立。

上京してきてから店で知り合う
歳上の人との不倫があったり、
近所の洋服屋の男と付き合うも
5股かけられていたりと、
男運はさして良くならなかった。

キャバクラから銀座のクラブに
勤めるようになった時、
今後の人生を考えるようになる。

子供の頃の夢は美容師だった。
人を綺麗にしてあげることが
好きだった彼女は、
自分の美容に対する興味の
深さも手伝い、夜はクラブに
勤務の傍ら昼間はエステで
見習いとして働きだす。

5年経つ間にエステの
技能試験も受ける。

働くエステ店では女性客にも
親しまれ指名客はどんどん増えて
行った。

36才の時。
あるお金持ちの奥さんから
エステ店を自分でやらないとの
話しを持ちかけられる。

銀座のクラブも辞めることに。
いわゆる銀座をあがることに
なった2日前。

店を自分でやる話しが突如、
破たんとなる。

人生お先が真っ暗に。
その顛末をクラブのお客さんに
話すとたちまち自分が開店資金を
出してやるという社長やら会長が
名乗りをあげる。

それにも驚いたが、
長年勤めたクラブのママが
「あんたなら必ず成功する」と
太鼓判を押し無担保で利子も
無いに等しい金額でポンと
800万出してくれた。

無事青山に店をオープン。
1年で借りたお金を完済。
現在開店してから3年。

1人でやっていた店も
従業員を5人雇うまでに
規模が広がる。

自分の新居を麻布に構え、
苦労して2人姉妹を育ててくれた
田舎にいる母にも親孝行を
思い存分している。

今何をしている時が
楽しいか聞いてみた。

しばし考えた後
「お店でお客様の予約がいっぱい
入っている時かな~」と
経営者らしい悦の感じ方だった。

結婚願望は強くある。
ただ子供は自分が子供の頃
鍵っ子でとても寂しかったので、
子供にそんな思いをさせたくない。
なので子供はいらないという。

何より今は好きな人がほしいと。
タイプの男性ははおおらかな人。

今度男性の居る場所へ一緒に
繰り出そうという約束をした。

まずは男性のいるボクシングジム
なんぞに一緒にダイエットがてら
通う計画を立てる。

考えるに、彼女はいわゆる
ヤンキーだった訳だが、
渡り歩いた世界が幅広い。

15才から多くの大人を
相手に渡り歩いて来た。

大人だってバカじゃない。
彼女の持ち前の賢さを見抜く訳だ。

そんな彼女は男女ともから

親近感を抱かれ好まれる。
その魅力は、根底にまじめさが
あるからだと個人的に思う。

自分の店を開店するにあたり、
誰からお金を借りようか
選択肢がいつくもあるきることに
その彼女の信用度の高さは垣間見れる。

彼女は義理人情に厚くよく働く。
彼女を見ていると働かざる者
食うべからずという言葉が
頭に浮かぶくらいだ。

彼女は去年40代になり
独中女の仲間入りをした訳だが、
今の状態で未来に対する不安は
ないのではと聞くと

「とんでもない」

と否定した。
店のこと従業員のこと
考えると不安にならないことは
ないという。

ただ最近は悪いことが
起こっても「こんなこともあるか」と
思えるようになってきたと。

捨てる神あれば拾う神ある
と思うし、必ず助けてくれる人が
現れると思えるようになったと。

確かにその通りだと思う。
一生懸命生きている人は、
誰かが必ず見ていてくれると
思うし、またそんな世の中であって
ほしいと思う。

独中女の人生、
これからのどうなるか分からないが、
結婚と家庭を持つことが叶わないなら、
一生懸命生きる独中女の友を持てば
自分の励みになることは間違いない。

でも当面の私の目標は坂上みきさんの生きる道だ。

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