『こじらせ女子の行く末 vol.1 』

衝撃が走った夜は

 

今日という夜。

食べだしたら止まらない
芋堅干をつまみに、
まあまあかなのボジョレーヌーヴォーを
飲みながら、本日は独中女の記事を
掲載しようと、推敲していた。

が。

できん。
気になって仕方がない。

それは今日、
大変にショックなことが
2つもあったからだ。

 

 

ショックその1

 

 

近所の八百屋さんの軒先にいる、
とても賢く静かな小型犬のことだ。

彼は私より落ち着いている。
何があっても動じない犬だった。

私がどんなに話しかけても、
こちらをチラ見して、
溜息をつく。

小さい幼児のお客さんに
追っかけられて触れても、
じっと触らせて、
でも彼の表情は決して嬉しそうではなく

子供に対して鷹揚な態度で、
触らしてやってる風な、
ふところ深い感を醸し出している
クールなやつだった。

それが、先日いつもいる店の軒先で
車にひかれて即死したということを
近所の人から聞いてしまったのだ。

残念で残念でならない。

私は中学の時、
マックスという名前の可愛い女の子の
柴犬雑種の犬が我が家にいた。

生まれて2~3カ月からうちにきた。
ずっと一緒に育った。
彼女は、2回も出産を経験していた。
私より経験豊富だ。

確実に彼女は私の悲喜こもごもを
誰よりも知っていた。
彼女にいろんなことを話していたからだ。

彼女はいつも私を甘えさせてくれないが、
ここぞというときは、私の気持ちに
寄り添ってくれて、

一緒に泣いてくれた。
一緒に寝てくれた。
一緒にふざけてくれた。

ある日、その彼女は、
私の代わりに
バスに轢かれて逝ってしまった。

私がバスの前に飛び出そうとした時、
彼女が私の後ろから走ってきて、
先に飛び出してくれたのだ。

彼女が動かなくなる瞬間を見た。
中学生だった私は、
この世の中のすべてを覆して
しまうほどの衝撃を受けた。

彼女は私の身代わりになってくれた。

それからというもの、その気持ちに引きずられて
一週間学校を休んだ。
一週間泣きはらした。

だが、ある時気が付いた。
ずっと泣きながら見て持っていた
彼女の写真。

はたと気が付くと、
彼女の顔が、めちゃ笑っていた。

ずっと見ていたはずなのに、
その写真の彼女の顔は
最初はそんなに笑ってなかったのに。

泣きはらした私の目は、
彼女が絶好調に喜んでいる時の
満面の笑顔になっていたことを捉えた。

一週間泣き続け、
学校を休んでいた私だったが、
子供心に彼女が今私が生きていることを
喜んでいてくれているのを、
彼女とコンタクトが取れて知れた気がした。

翌日から学校へ行った。

今日、その八百屋の彼の訃報を聞いて、
彼女のことを思い出した。

そして、こう思った。

きっと八百屋の軒先に
いつもいたあの彼は、
誰かを守るために、
車の前に飛び出したんだと思う。
だって、彼、車の前に飛び出すような、
落ち着きのない犬じゃないもの。

1人確信している。

私は命を差し出すことはできないが、
誰かのために力になる自分になりたいなぁ
と改め思う。

これは、ボジョレーヌーヴォーの進みが早いから
思っているのではない。

めちゃくちゃ意識はクリアだ。

そして、これからか本題。

死にたくなる夜には。

 

ショックその2

 

今日のショックだった
ニュースは、

一昨日の15(火)に、
ライター雨宮まみさんが
亡くなっていたとの
訃報を聞いたことだ。

最初にこのニュースを
昼過ぎにネットで読んだ時には、
死因が書かれていなかった。

だが午後時間が経過すると、
事故で心肺停止状態で、
自宅で警察に発見されたと
加筆された訂正書きが入っていた。

この死因をを発表したのは、
雨宮さんの本を出版していた
大和書房さんだというのだ。

 

雨宮さんという方について

 

雨宮さんは、エロ本の編集者を経て、
2011年に、生きづらい自伝的エッセイ、
『女子をこじらせて』を上梓。
これが初の書籍だ。

この「こじらせ女子」は、
2013年に流行語大賞にノミネートもされた。

この「こじらせ女子」を説明すると、
雨宮さんご本人がWeb日刊SPA!の取材に
答えて説明しているのを転載する。

「世間がいう『女のコって可愛いよね』の中に
自分を当てはめられない女子です。

ルックスは普通なのに、
自分の内面では女子力が低いと悩んでいる。

自分に対するダメ出しが激しくて
自信を持てないんです。

その原因の一つは劣等感。

私の場合は中学生になるときが
象徴的だったんですけど、
今まで同じ子供同士だったのが、
急に女として見られたときに
自分ってイケてないと感じて躓いたんです。

リアルに恋愛をしても、
常に皆と同じように
男女関係を築けていないという
違和感を持っていました」

「女性は学校でも会社でも、
常に女として評価されるから、
思春期のトラウマと線引きできずに
ズルズル引きずりがち。

自分を把握してしまったがゆえに
私なんかがおこがましいみたいな。

良くいえば謙虚、
悪くいえば卑屈な態度になってしまうんです。

こじらせ女子って周りに
迷惑をかけたくない気持ちが人一倍強くて、
自分が勘違いした言動をしたことで、
その場が凍ったり空気が悪くなったりするのを
スゴく怖がるんですよね」

「ふだんは社会に溶け込んでいるんですけど、
付き合ってみたり、深入りしたときに
『何でこんなことで戸惑ってるの』
みたいなことが見えて、
『もしかしてこじらせ女子?』と気付くんです。

こじらせ女子同士で『私全然可愛くないし!』
『いや私なんて可愛くない上に太ってるし!』って
無限に“自分が下”って主張が続くのを私は
“劣等感プロレス”って呼んでます(笑)。

だから、こじらせ女子にとって
ズケズケ言ってくる男性は、
わりと話しやすいんですよ。

自分でも面倒な性格を
直したいと思ってるから、
ダメ出ししてほしいんですよね」

だ。

長かったかな。
要は、キラキラ女子みたいなもんは、
一切自分にないと自覚し、
女性性に対してうまく
融合できていない女子のことを言うわけだ。

多くの女子が、自分も「こじらせ女子」である
ことを自覚し、共感を得た。

それから彼女は、常識的な
正論説を押し付けることない返しで、
多くの悩めるこじらせ女子を救ってきたのだ。

だがだ。

さて、ここまでお付き合いいただいた皆様。

最初にショック1のことを
長々と書いてしまったために、
1記事がとてつも長くなってしまった。

明日、この続きを掲載します。

皆さま。
明けない夜はありません。
寝たら、朝です。

寝ましょう。

おやすみなさい。

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