『独身女性と既婚女性の老後を考えるとリスクは同じかもしれない件について』

小学校の時の担任が
生涯独身女性

自分の意見を考えを
皆の前で発言する。

なぜそう思ったのか。
どうしてそうしたいのか。

そしてわからないことがあったら、
質問をすること。

これを徹底的に鍛えられたのが、
小学4年生の時だった。

苦手な人には地獄だったと思う。
私もとても暗い子だったので、
必死に発言したのを覚えている。

だが、ここで鍛えられて、
私は中学の時には
質問ババアと言われるほど、

人前で発言することは
さほど困難ではなくなった。

小学校4年生の時の担任の女先生が、
自分の意見を人に伝える
難しさと楽しさを教えてくれたのだ。

先生は、当時40代だった
と思われる。

独身だった。

その時代に独身女性は、
珍しかったかもしれない。

その先生と毎年年賀状の交換
をさせい頂いていた。

だが今年の先生の字は
いつもと、ほんの少しだけ
趣が違っていた。

昨年骨折から、
ずっと今まで
一人で暮らしていた
住まいから、

ホームに移ったとの
ことだった。

先生は現在、88歳であられる。

先生とは、
小学校を卒業してから、
私が30代前半の時に
約20年ぶりにお会いした。

その後は、また十数年ぶりに
昨年にお会いした。

その時はちゃんとご自身で
ゆっくり歩かれていた。

お話しも相変わらず
しっかりとされていて、

何より私のことを
想っていて下さることを
話しの節々から感じた。

 

結婚していなくとも
結婚を考えた人はいて

 

前回お会いした時、
先生はご結婚を考えたことは
おありだったんですか?

勇気を出して聞いた質問だった。

先生は、3秒くらいじっと
私の目を見つめたまま、
にこっと笑って、

ありますよ。

少しさっきまでとは
違いを感じる声色で答え、

先生の表情から、
瞬時にその人と一緒に過ごした
時間にひとりワープして
しまったような
表情が見れた。

だが残念なことに、
その日はお会いしていから、
もう既に3時間以上は経って
いたので、

そのお話しをじっくり聞くのは、
次回にとなった。

私は、この『次回』が
本当に来るようにと
願うような気持ちになった。

未婚でも既婚でも、
歳を取ればみな同じ

女性の寿命は確実に延びている。

先生が今まで独身で生きていらして、
そりゃ様々なことがあったと思う。

一人で寂しいと思う夜もあったと思う。
勝手に私が思ってるだけだが。

でも、かくしゃくと、
つい最近まで、
子供たちに勉強を教えて
いらした。

しっかりとした仕事を持ち、
自分が求められている場所を持ち、
生きてきた。

はたと思うが、
歳を取ったら、
未既婚関係ないのではと
思う。

旦那がいる人も旦那と死別し、
女性は長く生きるから、
それから一人で生きていかなくては
ならない。

今、子供の世話になるのを
期待している親も少ないのでは
ないか。

一人で生きてきた人は、
一人で対処することに慣れて
いるから、その時は、
ある意味、有利かもしれない。

今度、お見舞いに行って、
こうやって、
ホームに入ることを
昔から予定していたか、

先生がどのように、
ライフプランを計画して、
予定通りに生きて来られたのか、

独身女性の生涯のことを
聞いてこようと思う。

今年の年賀状には、
新しくホームで始まった生活を
『88歳のスタートです』
と書いてあった。

大好きだ。

 

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