2012.4月から連載した
『独中女の心の叫びを
聞いてくれ』リライトです vol. 25-1
公開されているフランス映画
『最強のふたり』を観てきた。
事故で首から下が動かない
パリに住む大富豪フィリップと、
彼の介護者選びの面接を
受けに来ていたスラムの
黒人青年ドリスとの
事実に基づく
友情の物語だ。
フィリップは、
「不採用の証明書があれば
失業手当が貰えるから」と
面接を受けにきた、
邪な応募理由のドリスを
フィリップは採用する。
その日から全く
相容れないふたつの
世界の衝突が始まる。
だが2人とも偽善を
憎んで本音で生きる姿勢は同じ。
互いを受け入れるようになるまでには
時間はかからなかった。
体の障害を笑い飛ばし
同情のない最強の友情が生まれ、
踏み出した新たな人生には
予想もしないことが待っていた。
観賞後しばし考える。
こんなにも分かり合える友人が
いる人生といない人生とでは、
天国と地獄くらい違うものになる
ことを強く思った。
大富豪フィリップの
唯一動くとされる
首から上の表情の
素晴らしいこと。
諦めと絶望と希望と喜びを、
わずかな顔の筋肉の動きで
豊かに表現するのは、
フランソワ・クリュゼ。
また黒人青年のドリスを
演ずるのは、
役者でもありコメディアンでも
あるオマール・シー。
真っ直ぐに人と向き合う
眼と屈託のない笑顔は、
観ている自分でさえも
旧知の友人になった錯覚に
陥るほどだ。
互いを大切に思う友情を
垣間見た後、
帰路で思わず私は
大泣きしてしまった。
さて、なんで泣いたかという
理由は、
明日へまた続きます~
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